「保険がきかない」とは?
みなさんこんにちは!ここではぼくが分からないことについて、先生に質問していくQ&Aコーナー。今日の質問は、“「保険がきかない」ってどういうこと?”です!
きのねさん
先生
こんにちは。
こんにちは!先生、こちらのクリニックは「保険がきかない」っていうことなんですけど・・・「保険がきかない」って、つまりどういうことなんでしょうか?
きのねさん
先生
「保険がきかない」というのは、みなさんがいつも病院を受診するときに使っている健康保険証が適応にならない、ということですよ。
健康保険証が使えないって、病院なのに??!
きのねさん
先生
そうなんです。うちはきちんとした医療機関ですが、保険診療を行わない、「健康保険証は適応にならない」治療のみを行うクリニックなんです。
健康保険って、使える治療と使えない治療があるんですか?
きのねさん
先生
そうなんですよ。今の日本の医療には、大きく分けて保険診療と自由診療の2種類の受け方があります。先進医療というのもあるのですが、ちょっと特殊なので、今は2種類について説明しますね。
はい!
きのねさん
保険診療と自由診療
先生
保険診療というのは、健康保険証が使える医療。これは国がどういう病気にはどういう治療法でどのくらいの期間でどのくらいお薬が出せて、という基準をきっちり決めているものです。
そんな基準があるんですか?
きのねさん
先生
そうなんですよ。だから、日本全国どこでも同じ値段で同じ治療が受けられるんですね。
なるほど、そうなんですね。
きのねさん
先生
そして、保険証を持っている人が保険診療を受ける際は、基本的には自己負担が3割(年齢とか収入によっても違います)となっているんですよね。
3割?!じゃあ、私たちが普段払っている医療費は、元々の料金からの7割引きなんですね。
きのねさん
先生
はい、そうなんです。そして、自由診療というのは、健康保険を使わない医療の提供になります。自由診療だと、10割負担していただくことになるんですね。
そうなんですか・・・
きのねさん
先生
保険診療と同じ内容の治療を自由診療で提供している病院もあるのですが、今のところ、自由診療のクリニックといえば、美容目的の整形とかか、国内未承認の治療を受けるときが多いと思いますよ。
ええーっ!国内未承認って安全なんですか??それに効果って確実なんですか??美容目的の整形の方は分かる気がするんですが・・・
きのねさん
先生
そうですね。そう聞くと、安全性が心配になるかもしれませんね。確かに新しい治療法で、まだ安全性がきちんと確認されていなくて未承認になっている治療法もあります。でも、クリニックで提供している精神療法(カウンセリング)は、薬物療法ではないので、身体に出てくる未知の副作用などはありません。
確かにそうですね。
きのねさん
先生
効果の方については、クリニックで提供している対人関係療法という治療法は、アメリカなどでは心療内科・精神科のメジャーな治療の選択肢の一つなんですよ。
アメリカで?
きのねさん
先生
そうなんです。もともと、対人関係療法はアメリカ生まれの治療法ですしね。1960年代から開発された治療法で、1995年米国消費者ガイドで支持されたり、プライマリケア医師向けの治療ガイドラインや、米国精神医学会の治療ガイドラインにも載っているんですよ。
そうなんですね。ガイドラインに載っているのであれば、ほんとにメジャーなイメージですよね。
きのねさん
先生
そうですね。科学的にも治療効果が証明されている(エビデンスベイスドの)治療法なんです。
そうですか、なるほど。・・・でも、安全で、治療効果が証明されているなら、どうして日本で未承認なんですか?
きのねさん
先生
うーん、おそらくおひとりに対しての時間がかかりすぎること(通常のセッションで50分くらい)が一番ネックなんじゃないかしら・・・もともとどうしても精神療法って算定されにくい治療法なんですよね・・・
えー、そんな!早く保険がきくようになってくれたらいいのに!
きのねさん
先生
そうですね。早くそういう日が来るといいですね。